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2007年11月30日
ミシュランの暴力
フランスのタイヤメーカー、ミシュラン社が発行しているヨーロッパのレストラン・旅行案内書「ミシュランガイド」初の東京版(2008年版)が発売された。
この「ミシュランガイド」は、レストランの等級を、星印で表示し、毎年、改訂版を発行することで、知られている。
銀座地区でも、たくさんのお店が、星を与えられて、ご同慶の至りである。
店によっては、店頭に、たくさんのお祝いのお花が並べられ、電話が鳴りっぱなしで、予約が殺到し、笑いが止まらない。
まずは、おめでたい限りである。
しかし、良く考えてみると、この事態、そう笑ってばかりはいられない。
私も今までは、何の批判もなく、この本の評価を受け入れていた。しかし、東京版が発行されると聞き、俄かに、疑問が沸いて来た。
一体誰が、どの様な方法で、この格付けをしたのだろうか。
ミシュランによると、日本人2人を含む、匿名調査員5人が、2006年5月から、東京都内の飲食店1500店に、繰り返し足を運び、審査に当たったという。
ここで、疑問が沸いてくる。
この1500店を誰が選んだのか。
東京には、もっと、膨大な数の飲食店があるはずである。
そして、この1500店に、一体、何回、調査に行ったのか。
仮に5人で、分担しても、1人が、300店受け持つことになり、1日、昼夜2店行っても、150日を費やす。
昨年の5月からというから、発行日まで、凡そ、1年7ヶ月。印刷、製本に、約1ヶ月を見ても、調査、編集に1年6ヶ月しかない。1日の休息もなしに、働いても、547日しかない。
まさか、完全無休など考えられないし、そうすると、
週休1日ならば、実働468日、
週休2日ならば、実働390日、
しかない。
しかし、現実にやってみればわかるが、6日間、毎日、昼夜外食は、至難のことである。
ならば、週休2日は、絶対必要条件だろう。
週休2日で計算すれば、実働390日。1人で調査したら、期間中、実に、780店しか回れない。
つまり、1500店を調査するには、最低でも、2人が必要で、それでも、1年6ヶ月の間に、1店1回しか、調査できない。
しかも、本来は、同時に、最低2人の舌と目で判断すべきである。
事実、ミシュランは、2人1組で調査していたそうで、この調査には、最低4人必要とし、実質は、2人で1店を、1回だけ調査したことになる。
週休2日ならば、残り90日しかない。
そして、1次選考で、10分の1に絞ったらしく、東京版ミシュランは、星付きレストランは、150店あるそうだ。
つまり、星が付く付かないの判断は、この5人の匿名調査員のうち、たった2人が1店に1回行っただけで、決定されたことになる。
たった1回の調査で、星が付いたり、つかなかったりにしては、影響が大き過ぎるのではないか。
フランスでは、星の数が減って、自殺したシェフもいたと聞く。
しかも、同じ日本人同士でも、関東の人と、関西の人では、味覚がはっきり違うし、50代と30代とでも味覚が違う。まして、この5人の国籍によっては、味の判断は、全く違うはずである。
この星付きレストラン150店を、更に、星の数を決めるために、5人で、分担して調査しても、15日かかる。5人が、全員で行けば、75日かかる。
どっちにしても、もう残り日数は殆どない。
これ以上の、詳しい調査をすることは、物理的に不可能である。
つまり、一度発表してしまえば、大反響を起こすこと必至のこの調査を、これほど、少人数で、簡単にやっているということだ。
これで、一体、真実の調査が出来るのだろうか。
しかし、ここで、もうひとつ考えなければならないことは、1年間、毎日外食で、調査員の、正確な味覚判断を維持できるのかということである。つまり、最初の頃、調査に行った店と、後のほうで行った店とでは、調査員の味覚判断が狂っているということだ。
私ごとで恐縮だが、私も、弊誌の編集上、毎日、いろいろなレストランで試食を重ねているが、正直言って、どんなに旨いものでも、毎日食べると、いい加減嫌になる。
そんな時、一番旨く感じられるのは、白いご飯にお漬物である。つまり、毎日、外食で、食べ続けると、味の判断能力が狂ってくる。
しかも、弊社の場合は、匿名ではないから、厨房も見せてもらえるが、匿名では、厨房を見ることも、出来まい。
これで、良く、3ツ星だ、1つ星だなどと、言えたものである。
3つ星に選ばれたお店は、確かに、どこも立派なお店だが、2つ星や、1つ星の中に、明らかに、3つ星、若しくは、それ以上のお店が入っているし、逆に何度行っても、最悪の味の店も入っている。
外国人が判断したり、また、30代の経験浅い審査員が判断して、どうして、日本料理店の良し悪しがわかるのだろうか。
ミシュランの東京版が発行されるというだけで、テレビや新聞が、トップニュースで採り上げるのに、こんないい加減な審査で、星を決めていいのだろうか。本来3つ星の資格のある店が、1つ星とされた、不名誉は、どうしてくれるのだろうか。
名誉毀損でもあり、営業妨害でもある。
それに、ミシュランガイドだって、マスコミの端くれだ。
さすれば、これなどは、明らかに、マスコミの暴力と言えるのではないか。
もっと不愉快なのは、こんないい加減なミシュランの仕事に対して、日本のマスコミが殆ど、批判らしい批判をしないことである。
それどころか、現在のミシュランブームは、明らかに、マスコミが火をつけたことは間違いがない。
日本のマスコミは、判断能力を失ってしまったのだろうか。
本来、ミシュラン・ガイドブックは、ミシュラン・タイヤの広告宣伝物のはずである。
何故、このような、私企業の広告宣伝物を、日本のマスコミは、大々的に取り上げるのか。
これでは、一般市民が、ミシュランの星を、公的なものと錯覚してしまうのも無理はない。
しかも、マスコミは、表面だけの人気を煽って、その結果、不名誉を受けたり、営業妨害になったりしている人たちに、何故、目を向けないのか。
マスコミの本来の立場は、これら、不当に人権を侵害されたり、不利益を蒙っている人たちの救済が使命なのではないか。それを、こともあろうか、ある意味では、美談に隠れた、差別行動を、便乗して、持て囃しているのである。
私は、決して、今回、ミシュランで星を獲得されたお店に水をかけようとしているのではない。
このような、いい加減な調査では、来年以降、何時なんどき、今度は、簡単に、星を外される危険もあると言いたいのである。
今回のミシュラン東京版は、星付きレストランを、150、星の数を191個掲載した。同誌の、パリや、ニューヨーク等、他の都市版に比べて、圧倒的に多いという。さすれば、来年度版は、そんなに、掲載店が増えるとは思えない。調査も、今年よりは、広範囲になるだろう。そうなれば、競争は激化する。絶対に、今年、星のついた店から、落選店が出るはずである。
このときは、今年とは、裏腹の不名誉を受けることになる。
それだとて、本当に、正しい判断かどうか、わからない。
どっちにしても、こんな、名誉に関わる一大事を、一タイヤメーカーの広告宣伝の一環に、使われては困るということだ。
大体、タイヤ屋さんが、何時から、神様か、裁判官になったのだろうか。
無論、ミシュラン・タイヤが、ガイドブックを出すことには、全く、異論はない。売上増大のため、大いに、宣伝活動をされるのは、良いことである。
ただ、神様でもない存在で、しかも、いい加減な調査で、勝手に、他人の店に、星をつけて、ランク付けをすることは、ある意味では、名誉毀損であり、営業妨害なのではないだろうか。
そんなことより、自分の本業の、タイヤの品質向上に力を注いだらどうだろう。
少なくとも、私は、今年は、ミシュランのタイヤは買わないことにする。
「銀座かわら版」第4号、緊急提言より、転用。
この記事に関する、ご意見は、
山梨県南都留郡山中湖村平野2646-1
「銀座かわら版」
ミシュラン調査委員会あてにお寄せ下さい。
投稿者 hayashiya : 01:05 | コメント (0)
2007年11月17日
後藤泉のリスト版ベートーヴェンの「英雄」
今日、11月17日、六本木の泉ガーデンの、オフィス設計の本社で、後藤泉のサロンコンサートが、日下部社長のご好意で、開催して頂いた。
午後1時と、午後4時の2回公演だったが、満席のお客様がお出で頂き感動した。
オフィスでのコンサートということで、音響を心配していたが、始まったら、あまりの音響の良さに、びっくり。改めて、日下部社長の、ご見識の高さに驚いた。
丁度、今日は、マイスターミュージックで出していただいた後藤泉のCDの、ベートーヴェン(F.リスト編曲)の、交響曲第3番「英雄」(ピアノ版)と、交響曲第1番(ピアノ版)がリリース。
演奏会も、丁度、ベートーヴェン(F.リスト編曲)の、交響曲第3番「英雄」(ピアノ版)で、感動も一入。
演奏会終了後のお客様が感動して下さっているのに、主催者側も大感動でした。
お客様にも、また、日下部社長はじめ、オフィス設計のスタッフの方々にも、深く感謝をしています。
ありがとうございました。
帰宅後、部屋の電気を暗くして、今日発売のこのCDを聴く。
ベイブリッジと、港の景色の向こうに、三日月が輝いている。
考えてみると、後藤泉は恵まれている。
あっという間に、CDも、ヨーロッパで2枚。日本で、3枚、合計5枚が発売された。
ありがとうございます。