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2006年02月14日
音楽の影響力について
日本の政治・行政の現場をみていると、音楽とは、程遠い。
教育の現場ですら、音楽とは、無縁に見える。
しかし、人間にとって、音楽は非常に重要なものである。
我々が住むこの宇宙は、今から138億光年昔に、大爆発を起し、膨張を開始した。そして、今も、膨らみ続けている。この宇宙創成の大爆発を、ビッグ・バン(Big Bang)という。
このビッグ・バンから、宇宙にリズムが生まれた。
爆発の中心から、無限大の遠くへ放出されるガスや、星星が、互いの重力で、引っ張り合い、回転し、数え切れない、たくさんのリズムが、誕生した。
太陽系には、太陽を中心とした、惑星が、回転し、そのひとつひとつの惑星にも、月が誕生して、その惑星をまわる。
地球を例にとれば、月が地球を廻るリズムが、海の干満を作り、人間の生理にも、微妙な影響を与えている。すべて、月のリズムである。
地球の自転のリズムは、地球に、昼と夜を作り、この昼夜のリズムが、生物の、命のリズムを作っている。そして、この地球の自転が、南極と北極を作り、赤道を作っている。
しかも、この地球の、南北両極を結ぶ、自転の回転軸が、地球の公転軌道面の法線に対して、約23.5度傾斜していることが、四季のリズムを作る。
その四季のリズムが、稲作、そのほか、農業を支配する。農業だけではない、たとえば、この地球の自転と、地軸のずれが、海流を生み、それにより、魚群の回遊を生み出している。
このように、宇宙のすべてのものが、実は、ビッグ・バンに起因する、リズムに支配されている。
ところが、このリズムが、人間の存在に対して、あまりに、大きなスケールで、展開しているため、つい、我々は、この宇宙の壮大なリズムに生かされているのだということを、忘れがちである。
だから、このリズムの将来を予測できれば、株価だとて、その推移を読むことが出来る。
それが、未来学であり、また、東洋の気學、四柱推命である。
さて、リズムとは、何であろうか。
対照を成す諸要素の秩序づけられた交代。プラトンによって、「運動の秩序」と定義された。
音楽や、文芸は言うに及ばず、絵画、彫刻、建築など、いわゆる空間芸術に広く認められている。
しかし、「自然のリズム」とか、「労働のリズム」などといわれるごとく、実は、リズムとは、宇宙の営み、そのものなのである。
つまり、あるリズムを繰り返していると、そこに、生命が誕生し、成長し、思考し、行動する。これらのすべてが、リズムに、その源を発する。
だから、このリズムを理解し、そのリズムを生かして行けば、宇宙の営みに適した生き方が出来るはずである。
この、リズムを理解するのに、音楽は、きわめて、重要である。
いうなれば、音楽を極めることは、リズムを知ることに繋がる。
それだけに、学校教育における、音楽は重要なのである。
ところが、実際の音楽教育の現場において、この宇宙の営み自身がリズムのもとであるということを教えている事実を、未だ、耳にしたことは無い。
言うなれば、音楽教育の指導者が、リズムの各論だけを教えて、総論を忘れているのである。いや、総論に気づいていないと言うほうが、的を得ているかもしれない。
しかし、この音楽の効用については、既に、大勢の政治家や、行政の指導者が気づいており、その各々の現場において、利用されている。
たとえば、ドイツ。アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)は、屡、ワーグナーの音楽を利用して、大衆を鼓舞・扇動したと聞く。
わが国の太平洋戦争時の大本営発表の、軍艦マーチなどは、この最たるものであろう。
戦後、わが国は、焦土と化した中で、再建を始めるのだが、ここでも、音楽が、大衆の気持ちを盛り立てるのに、重大な役目を帯びている。
ひとつは、ラジオ体操である。
もともとは、国民の健康と体位向上を目的に、10種類ほどの運動を順序づけ組み合わせた体操で、1928年に、大谷武一氏などにより、提唱され、放送が開始され、全国の小学校から、さらに、全国の津々浦々へと、普及した。太平洋戦争後は、一時、廃止されたが、1951年、戦後の国民の再起を促す目的を持って、再開された。
戦後の音楽と言えば、NHKから放送された、ラジオ歌謡は、見逃すことが出来ない。
日本中が焼け野原になり、夢も希望も無くなったとき、かすかに、ラジオから流れてきたラジオ歌謡のメロディは、日本人に、少しずつ、生きる希望を与えてくれた。
こうして、戦後の日本人は、ラジオ体操の音楽と、ラジオ歌謡のメロディに、少しずつ勇気づけられて、元気を取り戻して来た。
それに、更に、拍車をかけたのが、東京オリンピックと、万博である。
1964年10月、東京で開かれた第18回夏季オリンピック大会は、アジアで最初のオリンピックの呼び声とともに、参加94ヵ国と盛況を極めた。そして、東海道新幹線も開通し、連日、テレビから流される、東京オリンピックマーチは、弥が上にも、国民の気持ちを高揚させた。
そして、1970年に、大阪で開催された万国博覧会は、「人類の進歩と調和」をテーマに、参加国77ヵ国を集め、アジアで最初のものとなった。
このときは、三波春夫の「世界の国からこんにちわ」が、連日、テレビ・ラジオから放送され、敗戦国日本が、いつの間にか、奇跡の経済復興を遂げた喜びを、全国民に感じさせたものである。
こうして、歌は世につれ、世は歌につれと、戦後の日本は、音楽により、励まされ、音楽により、元気を取り戻してきたのである。
そして今こそ、この音楽を、教育の現場に使うべきときが来ていると思う。
戦後60年。日本は、確かに、奇跡の復興を成し遂げた。
しかし、確かに、世界の歴史に残る経済復興を成し遂げたのであるが、何か、一番大事な、何かを見失ってしまったのではないだろうか。
連日の新聞やテレビの報道を見ていると、青少年の犯罪をはじめ、賄賂や談合、買収の日常化、正に、日本は、堕落の道をひた走りに、落ちているのである。
今こそ、小学生や、中学生に、教育の原点に立って、日本人古来の、優しい心を取り戻させる運動を始めるときである。
それには、優しいクラシックの音楽の普及こそ、必要なのではないだろうか。
投稿者 hayashiya : 2006年02月14日 02:47