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2006年02月19日

音作りの醍醐味(4)フォルティッシモ

後藤泉のピアニッシモについて、お話をしてきたので、
ついでに、フォルティッシモについても、
少し、書き記しておこう。
フォルティッシモとは、無論、音楽の強弱標語のひとつで、「きわめて強く」の意であるが、
だからと言って、ピアノの鍵盤を叩き付けるように弾くのは間違いである。
ジャズの演奏の場合など、
まるで、鍵盤を叩きつけるように、演奏しているのを見たことがあるが、
クラシックの場合、あまり、そういう弾き方はしないのではないだろうか。
鍵盤を叩きつけると、音が割れてしまう。
やはり、音が割れる寸前までが、限界である。
しかも、この音が割れる寸前までの弾き方で、
それ以上の、効果を出させるのが、テクニックである。
カラヤンのフォルティッシモが、壮大に聞こえるのは、
決して、カラヤンの演奏が、ほかの指揮者より、
大きな音量を出しているのではない。
フォルティッシモの対称軸のピアニッシモが、
他の如何なる指揮者のピアニッシモより、
深度が深いため、比較として、より大きく響くのである。
後藤泉の場合、音が割れるのを、極端に嫌う。
だから、フォルティッシモの指定の場合も、
決して、鍵盤を叩きつけることはしない。
飽くまでも、重さと速度を計算しながら、それでいて、和音の中の音のバランスを考えて、フォルティッシモを表現する。
そうかといって、そう簡単に、考えながらとか、計算しながら出来るものではない。
やはり、練習の積み重ねの中から、組み立てて、行くものなのだろう。
だから、ピアニッシモが重要になる。
やはり、大事なのは、技術を超えた表現力なのだろう。

投稿者 hayashiya : 2006年02月19日 05:11